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映画音楽制作前倒し

学生時代は昼食を抜いて、昼食代をCDやレコードの購入に当てていた、スタッフ∩∪です。

先日、私が音楽を担当した短編映画の上映会がありました。音楽の評判が良く、音楽担当冥利につきるとはこのことです。この映画のために書き下ろしを1曲、昔の音源を加工したものを2曲、合計3曲を用意しました。これがなかなか急なオファーで、5/1にはじめて監督と打ち合わせをして(それまでに脚本や絵コンテ、資料はもらっていました)、締め切りが5/7とのことでした。

なかなか厳しいスケジュールですが、私のポリシーは「前倒し」です(これは漫画家の辛酸なめ子さんに影響を受けています)。その打ち合わせの日の夜から、翌日の午前中にかけて、書き下ろしの曲を完成させました。作曲から編曲、すべての楽器の録音(オルガン、サックス、ギター、ハーモニカ、フルートなど)、ミックスダウンまで一気に片付けました。

早めに納品できたので、映画自体の編集も音楽とシンクロしながらできたみたいで、それが功を奏したのかもしれません。それで、音楽の評判が高かったことにつながったのだと思います。仕事の前倒しがいいシナジーやフィードバックを生むことの好例だと思います。締め切りに追われず、精神的に楽だったのもよかったですね。

このように素晴らしい「前倒し」ですが、なぜあまりこれが実践されていないのでしょうか。原因として以下のようなことが考えられます。

  1. 仕事量が絶対的に多すぎてギリギリのスケジュールになってしまうから
  2. 前倒しでリリースすると、他の仕事を振られるから
  3. 前倒しでリリースすると、余計な修正や変更が追加され結果的に仕事が増えるから
  4. 受け入れ側が成果物に満足しないので、妥協点が時間の制約しかないから

このうち、1は仕方ないとしても、2~4に関しては、人間の心理として妥当なものです。つまり、人は基本的に、「前倒し」できる能力があっても「前倒し」を避けるということです。ただ、「前倒し」は素晴らしい製品やサービスを生むフィードバックやシナジーのきっかけとなります。

「前倒し」を避ける人間を「意識が低い」と片付けるのは簡単です。私は「前倒し」のメリットを活かすためには、受け入れ側が「前倒し」を歓迎し、インセンティブ(金銭に限りません)を与えていく環境を作っていくことがこれからのビジネスシーンにおいて重要になってくるのでは、と思います。

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